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京都のお寺 源光庵の悟りの窓と迷いの窓と血天井。過去や自分自身を見つめる機会に。

  • 執筆者の写真: tripampersand
    tripampersand
  • 2016年5月27日
  • 読了時間: 3分

常照寺から歩くこと数分、鷹峰の交差点を過ぎてすぐに源光庵の山門がありました。

道路の反対側に掲示されていた鷹峯散策のマップを見ていた私は、思わず通り過ぎるところでしたが、山門をくぐれば、見逃しようもない立派な本殿が現れます。

源光庵のみどころは何と言っても「悟りの窓」と「迷いの窓」。

本堂の一角に並ぶ丸窓と角窓。

普段、禅の教えとは縁遠い生活をしている私ですが、ちょっと立ち止まって、眺めてみようという気分にさせられます。

壁にそってベンチが備えられているので、座ってゆっくり楽しむこともできます。座ると目線の先に窓があります。

悟りの窓

「悟りの窓」、丸窓の円は大宇宙を表現し、悟りの境地を表すものだそうです。

室内暗いし、思ったより窓が大きいから上手く写真が撮れないな、と煩悩に悩まされまくっている私。

きっと真の姿が見えていないに違いない・・・・・・。白い壁、黒い窓枠、その中の鮮やかな緑。コントラストが美しいな、という月並みな言葉しか出てこないのはきっとそのせい。

迷いの窓

「迷いの窓」、角窓は「人間の生涯」を象徴し、生老病死の四苦八苦を表しているということです。

どおりでこちらの窓の写真を1枚しか撮っていなかったわけです。人生の四苦八苦からどうにか目を背けてやり過ごそうという姿勢が、こんなところにも現れてしまいました。

ここに来たからにはそれらと向き合うチャンスだったんでしょうけれど。うっかりあっさり逃していました。

実はそんな中で最も強烈に印象に残ったのが天井です。

この本堂の天井は血天井になっています。

文字通り天井に残るのは、1600年に石田光成の軍勢に敗れ、300人以上が伏見桃山城で自害した際の血痕。

供養のために、その伏見城の床板がこの本堂の天井に用いられたそうです。

手形や足形がはっきりわかる箇所も幾つかあって、解放的な堂内、明るい陽の光の下でも、背筋が薄ら寒くなる思いというのに、隣ではパシャパシャ写真を撮る修学旅行生の姿がありました。

ツワモノです。

全国にも血天井は幾つかあるものの、これだけはっきり痕跡が見られるところは少ないそうです。その学生達に向かってタクシーの運転手さんが説明していました。

なるほど。でも、もう充分です。小心者の私には。

戦国時代に生まれなくて良かったな、なんて考えながら、行きに気になった鷹峯マップをもう一度見てみようと掲示板に近づいたら、道路脇の溝に見事にはまり、腰を捻りました。

天井、正面、それから足元。人生、一方を見ているだけではいけないのだと悟りました・・・。

魚板

丸窓、角窓からの景色、また本堂裏の北山を借景とした庭園も気持ちの良いもので、秋の紅葉の頃は更に趣が増すだろうと思われました。血天井も悟りの境地もピンと来ない、という方は秋に行かれてみてはいかがでしょうか。

拝観料は400円でした。

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