京都で人気のお寺。参道が美しい高桐院
- tripampersand
- 2016年6月1日
- 読了時間: 2分
高桐院は細川忠興が建立した寺院で、忠興と正室のガラシャ夫人もここに埋葬されています。大徳寺の中で常時公開されている塔頭の一つです。
高桐院で何より有名なのが参道です。
門を潜ってすぐ、両側緑の苔で覆われた参道が真っ直ぐ伸びています。写真などどこかで目にしたことがある人も多いかもしれません。
新緑のもみじとあいまって、心が清められるような美しさ。
けれども、それを写真に収めるのは至難の業。
その美しさに思わず立ち止まってしまうのか、参道から人がいなくなるということがありません。
感動を写真に収めようとシャッターチャンスを待つ人もどんどん溜まって、更に混雑。
私は早々に写真を諦めました。

そんな参道を抜けて客殿、書院へと向かいます。
客殿から臨む楓の庭園は、すっと心の中に入ってくる素直な風情で、いつまでも見飽きないものでした。
ただ何も考えず、時折木々を揺らす風の音に耳を傾ける。

そんなつもりが、隣のラブラブカップルから意識を引き離すには、まだまだ修行が足りませんでした・・・。
西側の庭園には、「降りつくばい」と言われる地面に埋め込まれた手水鉢があります。
あまりにさり気なく配されているので、初めは気がつかず通り過ぎましたが、加藤清正が朝鮮出兵の際に持ち帰った朝鮮の王城の礎石によるものということです。
想像力をフル動員させて、石の数奇な運命をたどってみるものの、わざわざこんな重いものを運ばされて、風流な主人を持つと部下も大変だな、という思いが真っ先に頭を過ぎった私は、到底茶人にはなれそうもありません。
その庭の奥に、忠興の手で建てられた茶室がありました。小さく簡素な造りです。
忠興は利休に師事し、茶人としても有名だったそうですが、戦や政にも秀で、冷徹で気性が激しかったとも言われる人物像と、静かに茶を嗜む姿がどうも上手く結びつかない。そういう苛烈さがあったからこそ、平穏を味わう場が必要だったのでしょうか。(偉そうにいえるほど忠興像を知らない、というのが本当のところです。)
再び参道に差し掛かかると、そんなあれこれは頭から抜け落ちて、ただ純粋に目の前にある美を楽しんで、気持ちよく寺院を後にしました。
後日、人が少ないと思われる時間帯を狙って再訪したところ、参道には見事に誰もいませんでした。絶対写真を撮りたい、という方には平日昼間の訪問をお勧めします。

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