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京都のお寺、プライベートツアー!?で楽しむ妙蓮寺。

  • 執筆者の写真: tripampersand
    tripampersand
  • 2016年6月15日
  • 読了時間: 3分

妙蓮寺は日像聖人によって建立された日蓮宗のお寺です。その成り立ちがちょっと変わっています。

当時、大きな造り酒屋を営んでいた老婦人。京都にやって来た日像聖人の説法を聞いて帰依することになりました。日像聖人は入洛したばかりで縁者もいないということで、その酒屋の一画が提供され、お堂が建てられたことが始まりだそうです。

豊臣秀吉の時代に今の場所に移って、その後、大火に会って規模は縮小したものの、1789年より復興して現在に至るということです。

拝観をお願いすると、係りの方に「ご案内します」と言われました。マンツーマン!初めての経験です。

妙蓮寺の桔梗

境内には四季折々のお花が植えられていますが、今はちょうど桔梗と沙羅双樹の花が楽しめるということで、順番に案内して下さっていたところ、新たに二人参拝の方がいらっしゃいました。プチグループツアーです。

妙蓮寺の沙羅双樹

一人で切り盛りされているということで、片手には電話を持ちながら、荷物が届けば取りに行ったり、お忙しそう。

でも何より、印象に残ったのが、その方の説明ぶり。流れるように話が進み、庭の草木から座敷の掛け軸から、日蓮宗の宗派まで止まることなく続いていきます。

何かにつけて知識の足りない私には半分もわからなかったりするんですが。一緒に回ったご婦人方は特に絵画について相当詳しく、今更「それ、誰ですか?」なんて突っ込めない状況。そこは神妙に頷いて誤魔化しました。

そんな日本画通の方がやってくるのもさもありなん。

このお寺は長谷川等伯の障壁画を所蔵しているということで知られています。ただし、これは特別拝観のときにだけ公開されるということで、今は別の襖絵が嵌められていました。

その襖絵を描いたのが幸野豊一。幸野楳嶺の孫にあたり、この襖絵を観るためにお寺に来られる方も多いとか・・・。私はその存在も知らずに目にしましたが・・・。

知識はなくても、その美しさは充分堪能できました。

春夏秋冬、4つの場面が描かれているのですが、どれも見事。画の完成度だけではなくて、実際に見る人に配慮し、考え抜かれた構成です。

メインは春と夏の画ですが、秋の襖絵も素敵でした。灯りをつけず、零れてくる太陽の光で鑑賞すると、使用されている金銀が光に反射して、その風景が薄暗い室内に浮かびあがり、幻想的ですらあります。

絵画は通常売りに出され、購入されていくわけですが、展示されるとは限りません。資産として、また投機目的で買われることも多い中、こうして、寺院の襖絵として描かれれば必ず、何十年と人々が目にすることになります。その意味で「襖絵を描く」というのは確実に後世に名を残すことになるんですよ、と説明がありました。

この襖絵はほぼ私と同じ時を経ていますが、年月による風化は全くみられません(羨ましい限りです)。まだまだこれからも訪れる人々を魅了し続けること間違いありません。

お話はまだまだ尽きない中、一緒に回っていたお二人は時間がないということで、ツアー終了となりました。

お庭と襖絵。大きなお寺ではないので、見て回るだけならすぐですが、折角なので、時間に余裕をもって訪問し、じっくり説明を受けてみると、面白いお話が聞けるかと思います。ぜひ!

私は更に帰り際にも個人的に色々お話することになり、かれこれ、1時間くらいはおしゃべりを楽しみました。途中でやって来た清掃業者の方も加わって(加えさせられて!?)。

京都のお寺もいろんな楽しみ方があります・・・。

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