今の季節にこそ訪れたい京都のお寺、廬山寺。
- tripampersand
- 2016年7月8日
- 読了時間: 3分
自転車で京都の街を走っていると、やたらとお寺のある通りがありました。浄土宗に日蓮宗に曹洞宗。各宗派が並んでいます。
それもそのはず。調べてみると、そこは寺町通りでした。
まだまだ京都の新参者の私は知らなかったのですが、応仁の乱の後、荒廃したこの地に豊臣秀吉が寺院を集め、「寺町通り」となったそうです。

数々お寺がありますが、春でも秋でもなく、今の時期行くべきお寺。それは廬山寺です。
境内にある庭に植えられているのが桔梗。今がちょうど見ごろです。
白砂利に浮かぶ島のように盛られた土から伸びた桔梗の花。青紫が涼やかで優美です。
観に来ていた人の話がちょうど聞こえて来ました。
「毎年来てるけど、年によって咲き方違うから。ここまできれいに咲いているのは珍しい」
ふらっと来たのに、とってもラッキー!
ただ、多くの花は日の光を求めてか、向こう側を向いています。こっちを向いて!というのは欲張り過ぎでしょうか・・・。


豊臣秀吉の寺町建設によって、廬山寺はこの場所に移されたんですが、平安時代は高級住宅街だったに違いありません。
というのも、この辺りに堤中納言藤原兼輔が建てた堤第(つつみだい)があったと言われているからです。兼輔の曾孫が紫式部、ということで、紫式部もこの地で暮らし、「源氏物語」もここで執筆されたと言われます。千年を経た後も、人々を魅了し続けている世界の傑作。
その物語に因んで、桔梗の庭は「源氏庭」と呼ばれています。
これだけたくさんの桔梗が集められた場所はなかなかないでしょうし、腰下ろしてゆっくり鑑賞したい素敵なお庭であることに間違いないのですが、私が気に入ったのは本堂入って正面の小さな庭、そこに植えられた白い桔梗です。青い桔梗は気品ある美しさ、白いこちらの桔梗は可憐な佇まい。

源氏庭の華やかさのため見過ごされそうな感じですが、こちらも是非、チェックしてみて下さい。
それから、本堂を挟んで源氏庭のちょうど反対側にもお庭があります。案内表示も出ていないせいか、他にやってくる人もなく、静かに鑑賞することができました。源氏庭のような華やかさはないものの、温かみがあり、心地の良いお庭でした。

そんな紫式部縁の地を満喫した恩恵にあやかれるかも、と思ったのですが、そんな気配は微塵もなく、思うように筆が進みませんでした。
桔梗を楽しむならもちろん、今の季節に行くしかないのですが、紅葉の頃も素晴らしいだろうな、と思われるお寺でした。ご朱印も何種類かあり、紫式部のものもありました。ご朱印帳をお持ちの方は是非、お忘れなく!
拝観料は500円でした。
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