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イタリア家族旅行2日目 ヴェネツィア観光①

目が覚めて一番最初に目にする天井が、見慣れないものだった時-

旅していることを実感できる幸せな瞬間だ。

今日はどんなところに行こうかと、早速ウキウキした気分になる。


昨日はなんだかんだと長い1日になったが、他の家族もなんとか元気なようで一安心。

宿泊している宿は一棟貸しのゲストハウスで、置いてあるパンや飲み物、ヨーグルトなどを自由に朝食として食べられる。

その内容はもちろん宿によって様々だが、ラインナップを見る限り、イタリアは朝から甘い物を食べる国のようだ。


朝は紅茶、と意見が一致している我が家でも、イタリアに来たからにはエスプレッソも飲んでみよう!と置いてあった特大サイズのビアレッティ(直火用エスプレッソメーカー)に粉を入れ、ガスコンロにセットして待つ事数分。


あれ?なんの変化もない?


更に待つこと数分。やっぱり何の変化もない。

何が悪いかわからないが、エスプレッソはあきらめるしかないようだ。期待した分ガッカリ感が高まったが、まだまだ美味しいコーヒーを飲むチャンスはある。

気持ちを切り替えて、今日はヴェネツィアを楽しむぞー!


宿を出て5m、カフェが立ち並ぶ運河沿いの道はすでに多くの観光客が行き交っていてにぎやかだ。

何はともあれ、まずは母のカメラ。

昨日船を降りた場所で母が尋ねるも、サン・マルコ広場にあるチケットオフィスで聞いてくれとすげなく対応される。

本日の予定では、広場には最後に向かうことにしていた。カメラは気になるが、せっかくなら予定通り観光しようということになり、無事に拾われて保管されていることを願いつつヴェネツィア観光を楽しむことにする。




ヴェネツィアの街は迷路のように複雑だが、ところどころに「リアルト橋こっち」「サン・マルコ広場はあっち」と、2大ランドマークの方角がわかるようにサインが掲げられている。

私たちは、まずは大運河カナル・グランデのシンボルにもなっている白亜のリアルト橋を目指して歩きはじめた。


6月下旬のイタリア、どちらかというと暑いのかなーくらいに考えていた私は、認識が甘かったことをすぐに思い知らされる。

日本ではおよそ出番のないサングラスを急いでかけ、絶好の写真スポットとなっている木製のアカデミア橋では、何枚か撮影したところで暑さと眩しさにギブアップ。

日陰までそそくさと退散する。空気が乾燥しているからか、日本の真夏より日差しが痛い気がする。

ただ幸いにも、ヴェネツィアの入り組んだ街並みのおかげで、日向の面積は限られ、日陰の暑さは耐えられないほどではない。


ゴンドラ2台がすれ違えるかどうかという小さな運河を幾つもわたり、ひしめきあう革製品やアクセサリーのショップを冷かしながら、石畳の小道を進む。

途中で事前に目星をつけていた携帯ショップで無事に現地SIMカードもGetし、旅の不安が一つ消えた。

大手のTIM mobileを選んだので、余程のことがない限り、他の街でも日本と同様にiphoneが使えるはず・・・。


リアルト橋に近づくと、辺りは観光客であふれていた。

明るい日差しが降り注ぐ橋の上には、小さな土産物店がずらりと並び、様々な容貌の人々による各国語が飛び交っていて、インターナショナルな観光地の雰囲気に圧倒される。

自撮りに勤しむ人や土産物を物色する人、微笑み合うカップルまで、みんなそれぞれ自分たちの世界を楽しんでいる。

その中の一人として、いつか訪れようと思っていた地を、まさに今旅しているんだなぁと、あらためてイタリアにやってきた感慨に浸り不思議な気分になった。

浸りすぎて家族とはぐれないよう、気を付けなければ。

リアルト橋を渡り切り、大運河沿いを少し進めば、ヴェネツィアのマーケットが広がっている。

どんな場所でも、市場を訪れるのは旅の醍醐味の一つ。訪れない手はない。

ワクワクしながら足を進めると、カラフルな露天が見えてきた。

軒先一杯に積まれた野菜や果物の売り場を抜けると、続いて魚市場が広がっている。

すでに陽は高く、店仕舞いをはじめているところもあるが、まだまだ種類豊富な魚介類が並んでいた。

残念ながら持ち歩くことはできないので、見て楽しむだけだが、日本ではお目にかからない魚や貝を前に、母や私のテンションがあがる。この後のランチにシーフードを希望する妹に、家族全員が賛成した。


市場と接する運河では、買い物を終えたつっかけサンダル履きのご婦人が、買い物袋をせっせとボートに積み込んでいたり、エプロン姿の魚屋のおじさんがカモメに魚を与えていたり、リアルト橋とは真逆のローカルな日常も垣間見え、ちょっと安心する。

自分も観光に来ておいてなんだが、長らく続いてきた人々の営みが、これからも変わらず続くことを願わずにはいられない。

リアルト橋から次の目的地サン・マルコ広場に向かう前に、訪れたい教会があった。

カラフルな大理石で飾られた初期ルネッサンスの代表的な建築の一つ、サンタ・マリア・デイ・ミラーコリ教会だ。


人一人分の幅しかないような小さな石橋を幾つか渡り、立ち並ぶ建物の間を縫うように進むにつれ、どんどん人影は少なくなる。

そうして進んだ先、リアルト橋の喧騒が嘘のように静かな場所に、目当ての教会は小ぢんまりと佇んでいた。

マーブル模様の美しさが際立つ素敵な教会で、もちろん見学する価値はあった、のだが、その感動を空腹が半減させていたことは否めない。

自分が見たい、と言い出し他の家族を巻きこんでいたため、若干後ろめたさも感じつつ、ランチは妹が見つけたシーフードが食べられる一番近いレストランに決まった。


ピザとイカ墨パスタ、そしてシーフードパスタでお腹を満たした後、ヴェネツィアの中心地、サン・マルコ広場に向かう。


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