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ドイツへの旅 6日目③ コーブルク→バンベルク

  • 執筆者の写真: tripampersand
    tripampersand
  • 2016年5月26日
  • 読了時間: 3分

再び荷物を回収して歩き始めた私達は、当然の事実に直面する。

来たからには帰らなければならない。

こんなことならタクシーで来て、それを待たせて置けばよかったと、また無意味な口論をする。

バス停もあったけれど(もっと調べておくべきだった)、次のバスは1時間以上後だった。

何とか近道で帰りたかったので、来た時とは別の道を行くことにする。

数百メートル歩いてから、恐る恐る後ろを振り返る。

「ごめん。やっぱり、道、違うわ」

 こっちに行こうと強く主張したのが自分だけに、落胆の色はなるべく隠し、来た道を引き返す。

するとその横をタクシーが続けて通過していった。

そうだ。

これからやってくる人を降ろして空いたタクシーを捕まえよう。

急いで要塞下のロータリーまで戻ってくると、タクシーは見当たらないものの、別のものが停まっていた。

よく遊園地で子どもが乗っている汽車を模したようなあれだ。

街まで行くのか聞いたところ、二人で4ユーロという答えが返ってきた。

私達は迷わず乗り込む。他に乗客はいない。

見た目を裏切らないのんびりとしたスピードで、先ほど歩いた公園内の道を進む。

ガタガタと激しい揺れで、乗り心地はどうであれ、自分の足で歩かずに住む幸せを噛み締める。

やがて街まで戻ってくると、予想外の試練があった。

外から丸見えの私達。

人々の視線から隠れる術はない。

良い大人が二人だけでこんな物に乗ることになるなんて、当の本人も考えたことありませんでした、と心の声を聞く人はいない。

それでも時間と体力を大いに節約してくれたこの乗り物に感謝して、記念に写真撮影。

要塞と街を結ぶ車

昨日も通った広場へやってくるとマーケットが開催されていた。地元の野菜をメインに軽食やパンも売られている。

ここで、ちょっと早めのお昼にする。

スーツケースは邪魔だったけれど、共に歩き回ることにだいぶ慣れた気がする。彼らを連れまわしながら、匂いに誘われるままにうろうろする。

初めに食べたのは炒めた玉ねぎがたっぷり載ったパンというかピザと言うか……。

玉ねぎが甘くて美味しいこの食べ物は、この時期ならではの名物。

そう教えてくれたのは、日本に行ったこともあるという人好きのする笑顔を浮かべた男性。

それと共に、まだ作り立ての若いワインも、この時期ならではの楽しみだという。

気持ちの良い出会いに元気も沸いて来る。

アップフェルシュトゥルーデル

それからアプフェルシュトゥルーデル。

ずっしり重いくらいりんごの入ったパイを買う。

最後に誘惑されたのはキノコのお店。

香ばしい匂い。スタンドの前のかごに盛られた新鮮なキノコ。

横で頬張っている人と同じものを注文すると、出てきたのは炒めたマッシュルームを皿代わりのパンの上に贅沢に載せ、好みのソースをかけたもの。

おいしー。

たっぷりきのこのソテー

キノコの旨みがこれでもかと凝縮されて、キノコ自体を食べ終わった後もその旨みがたっぷり染み込んだパンを楽しめる、満足の一品。

活力を取り戻し、駅へと向かう。

終わり良ければ全て良し。

うん。コーブルクは素敵な街だった。

特にトラブルなく電車に乗って、バンベルク到着。

まずはコインロッカーを探す。

有難いことに駅のホームにあった、が、大きい方は全て使用中。

蒼白になる私達。

「無理矢理、入れるしかないよね」

もうトランクに傷が増えるくらいどうってことない。思い切って押し込もうとすると、

「あれ、入るわ!」

ニュルンベルクの美術館で利用したロッカーより大きい。

なんと、スーツケース二つが入った。海外旅行には小さめでも、このサイズを買っておいてよかったとしみじみ思う。

今日中にフランクフルトまで帰らなければならない上に、電車は1時間に1本。

無駄にしている時間はない。さっさと駅を出ることにする。

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