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オランダへの旅6日目②デルフスハーフェンを目指して彷徨う

  • 執筆者の写真: tripampersand
    tripampersand
  • 2016年10月13日
  • 読了時間: 4分

 美術館以外はノープランだった私たち。まずは市内の交通機関のデイチケットと、美術館の入場が割引になるというロッテルダムカードをインフォメーションセンターに買いに行く。

実はオランダのインフォのマークは「i」じゃない。Vが三つ、逆三角形に並んだマークだと、この旅で知った。おかげで、一時的に移転していたインフォの場所もすぐに見つけられた。道路を挟んで反対側に、そのマークが旗めいている。

 建物の隙間、プレハブに設けられたインフォでカードを購入すると、地図付きだった。バスやトラム、メトロのルートも載っているので、これがあればロッテルダム観光はばっちり。

 この後、美術館の開館時間まで、どこか近場に行こうと地図をにらみ、古い街並みが復元されているという地域、デルフスハーフェンに行くことに決めた。その方向へ向かうトラムに乗車する。

ロッテルダムのバスの降車ボタン

 ここまで来ると街の中心部からは外れた感がある。そろそろ目的地だと思うものの、それらしいサインもないし、乗客もほぼいなくなった。どうしよう、どうしよう、と言っているうちに、停留所を一つ過ぎ、二つ過ぎ・・・・・・。このままでは別のエリアへ行ってしまうと、焦って降車ボタンを押す。

 降り立ったのは住宅地だった。周囲を歩いてみるけれど、観光客らしい人影はないし、ごく普通のアパートが並んでいる。埒が明かないので、通りかかったお兄さんに聞いてみる。ただし地名は伝わらない。デルフスハーフェン。あーあ、きっと、このカタカナじゃダメなんだろうな。

「あの、古いくて、歴史ある建物が並んでいるエリアで」

「ああ、それなら、あっちのほら、橋のところ、あの手前に広がっているよ」

 指差されたのは、やってきた方向。やっぱり来過ぎていた。お礼を言って、早速戻る。正直なところ、お兄さんの説明を完璧には理解していなかった。ただ、方向だけは間違いなくわかっている。

 橋の手前まで来たものの、そこにあるようには思えなかった。持っていたガイドブックにはその先のエリアに「デルフスハーフェン」と印字されている。

「やっぱ、もうちょうっと先ちゃう?」

 これが間違いの元だった。

ロッテルダムのトラム

 歩くにはちょっと距離があったので、再びトラムに乗る。二駅戻って降りてみる。さっきよりは古い建物があるような気がする。ただし、観光目的で歩いているような人はいない。合っているのかいないのか。

 しばらく歩き回ったけれど、どうも、わざわざ来るような場所ではない気がする。もう少し奥まで入り込んでみると、完全な居住区域になった。立ち並ぶアパートを進んでいると、人々の不審そうな視線を感じる。

 街角で諦めて街に戻るか検討していると、声を掛けられた。

「ああ、それなら、向こうよ。あの水路にかかる橋を渡った先にあるわ」

 ということは、あのお兄さんの言っていることは正しかった。無駄に1時間、住宅街を歩いていてしまった。やっぱり人の言うことを素直に信じないと・・・・・・とゴーダに続いて反省。

デルフスハーフェン近くの住宅街

 教えられた橋までは巨大な団地群になっていた。といっても無機質な箱が立ち並んでいるわけではなくて、カラフルな窓枠や、ガラス越しに見える黄色い階段の手すりがモダンで、遊び心を感じさせる造り。歩き回った1時間も全く無駄ではなかったと自分を納得させながら、ようやく目的地にたどり着いた時には、既に11時を過ぎていた。

 そろそろ戻る必要がある。ホテルに荷物を置いたまま。12時にはチェックアウトしなければならない。

 古き良き時代のオランダ。そんな雰囲気を楽しめるエリアで、人も少ないし、散策にも写真撮影にもピッタリ。というのに、もう離れなければならないなんて。

デルフスハーフェン

 結局、エリアの一番端の通りを足早に歩き、数枚の写真を撮っただけに終わった。滞在時間、5分。来た方とは反対側へエリアを抜けると、賑やかな通りに出た。観光客というより、日曜日を楽しむ地元の人々。明らかに、こっちがメイン。トラム乗り場もすぐにあった。ここで降りれば、まず間違いなくたどり着けたはず。調べると、私たちが最初に乗ったトラムのルートもこの通りまでつながっていた。あともう少しだけ、大人しく乗っていれば良かったんだ・・・・・・。

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